「製造業者等」〜製造物責任法における責任主体〜

麻布十番所在の鈴木基宏法律事務所、弁護士の鈴木です。

 

製造物責任法は、製造物に欠陥があることにより人の生命・身体・財産に損害を与えた場合に、製造物を製造した製造業者等が、過失の有無にかかわらず責任を負うこととしています。

 

製造業者等に過失がなかったとしても、製造物責任法に規定される免責事由(同法第4条)に該当しない限り、原則として責任を負います。

 

では、この法律で責任を負う主体とされる「製造業者等」とは何なのでしょうか。

 

製造物責任法は以下のとおり定めています。

 

第2条第3項 この法律において「製造業者等」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
① 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)
② 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
③ 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者

 

その製品を製造した製造業者はいうまでもないですが、加工・輸入した者も含まれます(1号)。

 

また、実際には製造していなかったとしても、その製造物に「製造業者として」又は「製造業者と誤認させるような」氏名等を表示した者も責任主体となります(2号)。

 

さらに、「製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情から見て」、その製造物に「実質的な製造業者と認めることができる」氏名等の表示をした者も責任主体となります(3号)。

 

2号、3号を見ると、製造に関与していなかったとしても、商品に製造業者であるかのように自社の商号が記載されてしまうと、製造物責任法の責任を負うことになりますので、商品における商号の記載のされ方は非常に重要であるということになります。

 

例えばある商品において他に製造者の表示はなく販売社である自社の商号のみが記載されていたり、「発売元」との記載がされていたりするような場合には、製造物責任法の責任主体となる可能性がありますので、そのような記載がされる場合には予め弁護士に相談するのが望ましいと思います。

 

 

弁護士 鈴木基宏

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